家事代行の仕事を始めてから、何度も考えてきたことがあります。
「片付けの“正解”って、一体なんだろう?」
例えば、物を手放すことが苦手なお客様に対して、「この状態でどうやって片付けろって言うのか?」と内心思ってしまうこともありました。
机の上に積み上がった書類やDMを、ただ端に寄せて少し見栄え良く整えるだけで「片付いた」と言っていいのか?
根本的には何も片付いてはいないのではないか?
自分の中で正解が見えなくなって、戸惑うこともたくさんあります。
また、当たり前ですがお客様によってご要望もさまざまです。
部屋の隅の小さなホコリまで気にされる方もいれば、「ざっとでいいよ」「適用で大丈夫」と言われる方もいます。
でも、“ざっと”ってどこまで?“適当でいい”って、どの程度?
そう思ってしまう私は、もしかしたら考えすぎなのかもしれません。
けれど、その「ちょうどよさ」を見つけるのが、実は一番難しいと感じています。
私の働く会社では、1回のサービスは2時間。
その限られた時間の中で、お客様のご要望を聞き取り、作業の優先順位を決めていく必要があります。
「もっとここを丁寧にやれたら…」と思いながらも、時間の壁にぶつかり、いつも悩みながら動いています。
それでも、やっては振り返り、「あの対応でよかったのかな」と自問自答を繰り返しながら、なんとか10年ほど続けてきました。
主婦歴は25年ほどになりますが、家でやる家事と、仕事としておこなう家事はまったくの別物です。
実は、もともと片付けは得意ではありませんでした。
それでも仕事として片付けと向き合ううちに、その奥深さに少しずつ魅了されていきました。
得意とは言えない片付けの仕事を続けてこられたのは、毎回、誠実に向き合うことだけは忘れなかったからだと思います。
結局のところ、「片付けの正解」はひとつではなく、お客様の満足が“正解”になるのだと、ようやく思えるようになってきました。
私の正解とお客様の満足が合致すること。
それを目指し、今日も試行錯誤しながら、なんとかやっています。
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