家事代行の仕事をしている中で、毎年この時期になると「カビが気になります」という声を多くいただきます。
特に梅雨が近づくと、湿度が高くなり、家の中にカビが生えやすくなります。
一度カビが発生してしまうと、落とすのは大変。
体にも家にも負担がかかることもあります。
実際、カビはアレルギーや喘息などの健康被害の原因にもなるため、小さなお子さんや高齢のご家族がいるご家庭では特に注意が必要です。
だからこそ今のうちに、“カビが生える前の対策”をしておきたいところです。
カビが生えやすい家の中の場所
1. 浴室(ゴムパッキン・排水口・天井)
湿度が高く、石けんカスや皮脂汚れも多いため、カビが発生しやすい場所です。
特にゴムパッキンは黒カビが生えやすく、一度根を張ると強い洗剤が必要になります。
見落としがちなのが天井です。
天井にカビが生えると、胞子が浴室全体に飛び散り、他の場所にも広がってしまいます。
高くて手が届きにくい場所には、長い柄のついたモップやスポンジ、シートなどが便利です。
仕上げには、スプレーや噴霧タイプの防カビ剤を使って予防しておくと効果的です。
それも手間に感じる方は、置くだけ・吊るすだけのタイプを取り入れるのもおすすめです。
2. キッチンのシンク下・冷蔵庫の裏
配管まわりからの水分や結露がたまりやすく、見えないところにカビが生えやすい場所です。
収納品の詰めすぎにも注意です。
3. 窓まわり・サッシ
冬から春にかけての結露をそのままにしておくと、サッシの溝やゴムパッキンに黒カビが発生します。
こまめな拭き取りが大切です。
水だけで使えるお掃除シートや、小さなブラシなどを使うとお手入れがしやすくなります。
4. 押入れ・クローゼット
通気性が悪く、布団や衣類の湿気でカビが生えやすい場所です。
収納は詰め込みすぎず、空間を持たせることがポイントです。
湿気を吸ってくれるシートや、吊るして使える除湿グッズなどを活用するのもおすすめです。
5. 玄関・靴箱
靴の湿気やホコリがこもりやすく、密閉空間のため湿度が高まりがちです。
乾燥剤や湿気取りを入れるのはもちろん、靴底についた泥や土を落としてから収納するのを忘れずに。
これもカビの原因になります。
靴箱の扉は定期的に開けて換気すると、湿気対策だけでなくニオイ防止にもなります。
また、革靴は特にカビが生えやすいため、乾いた布で定期的に拭いて、専用クリームなどでお手入れしてあげてください。
掃除とカビ予防のコツ
・浴室は使用後にクロスやスクイージーなどで水滴を取り除く、週1回は排水口等のお掃除を。
・浴室の天井は、柄付きモップや防カビ剤を使ってケア。
・キッチン収納や押し入れは詰め込みすぎず換気を。
・窓の結露はできるだけ毎日拭き取り、ハケやブラシなどで溝の掃除も忘れずに。
・靴はしっかり乾かしてから靴箱へ。革靴は定期的に拭きあげを。
掃除しにくい場所に使いやすい道具を取り入れるのもおすすめ
天井や窓のサッシ、家具の裏側など、掃除しにくい場所はつい後回しになりがちです。
そんな場所には、便利な道具を活用するのがおすすめです。
たとえば、高い場所には伸縮式のモップやダスターを使えば、脚立を使わずに天井や壁のホコリを取ることができます。
窓のサッシや溝には、細かいブラシや水だけで使えるお掃除シートが便利です。
汚れをしっかり絡め取ってくれます。
冷蔵庫や家具の裏には、薄くてしなやかな静電気タイプのほこり取りモップを使えば、狭い隙間のホコリも簡単に取れます。
浴室のゴムパッキンや排水口には、流れ落ちにくいジェルタイプのカビ取り剤や、細かい隙間に届くブラシが役立ちます。
押し入れ・クローゼット・靴箱などの湿気対策には、吊るすタイプの除湿剤やシリカゲル、炭タイプの乾燥剤などを取り入れておくと安心です。
こうした道具をうまく使い分けることで、掃除がぐっとラクになり、カビの予防効果も高まります。
【現場からのひとこと】
浴室のゴムパッキンについた黒カビは、毎年多くのお客様から「なんとかしてほしい」とご依頼をいただきます。
ですが、一度しっかり根を張ったカビは、完全に取りきるのが非常に難しいのが現実です。
除去には強めの塩素系洗剤を使わざるを得ない場合もあり、体への刺激や素材を傷めるリスクもあります。
だからこそ、カビが生える前のちょっとした習慣が、家を守るいちばんの近道だと感じています。
梅雨前のチェックリスト
気づいたときに1つでもチェックしておくと、後々ぐっとラクになります。
▼カビ対策・梅雨前チェックポイント
・浴室の天井・ゴムパッキンは掃除済み?
・靴箱の湿気取りは交換した?
・靴の泥は落として収納している?
・窓の結露ふき、習慣にできている?
・押し入れ・クローゼットの通気は大丈夫?
・防カビグッズ、手元にある?
まとめ:梅雨前の今がチャンス
カビの掃除は大変。
でも、カビが生える前なら“簡単なケア”で防げることもたくさんあります。
梅雨本番になる前の今、できるところから少しずつ手をつけて、気持ちよく過ごせる家の準備をしていきましょう。
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