「終活」と聞くと、まだ少し早い——そう思う方も多いかもしれません。私たち夫婦も、50代。体もまだ動くし、正直、自分には縁遠い言葉だと思っていました。
でも最近、我が家は少しずつ「片付け」を始めました。いわゆる”老前整理”です。今日は、そのきっかけと、始めてみて気づいたことを、正直にお話しさせてください。少し現実的な、お金の話も含めて。
きっかけは、娘の高校入学
この春、娘が高校生になりました。その節目に、ずっと狭いリビングに置いていた学習机を、思いきって撤去しました。
ついでに、娘がこれから使う部屋に置いてあった、夫の古い学習机も処分。机が一つ、二つと無くなるだけで、お部屋がふっと軽くなって。「暮らしの節目って、モノを見直すいい機会なんだな」と実感しました。
捨てるのが苦手だった夫が、変わった
実はうちの夫、もともとモノを捨てるのが苦手な人でした。「まだ使うかも」「もったいない」——よくある、あの感じです。
そんな夫が変わるきっかけが、ありました。親戚の方が亡くなり、その遺品の整理を手伝うことになったんです。
たくさんの物に囲まれたお宅を片付けながら、夫は身をもって知ったようでした。「残される側に、これだけの負担がかかるのか」と。
それからです。夫が、片付けに前向きになってくれたのは。「自分たちの物は、自分たちで減らしておかないと。子供たちに、同じ思いをさせたくない」と言うようになりました。
いちばん時間がかかるのは、思い出の品
始めてみて思うのは、思い出の品が、いちばん手強いということ。写真、手紙、若い頃の記念の品——どれも、簡単には手放せません。だからこそ、気力のあるうちに、少しずつ向き合っておきたいのです。
それに、最近こう思うんです。私たち親世代が大事にしている”若い頃の思い出の品”も、子供たちにとっては、思い入れのない”知らない物”かもしれない、と。残されても、扱いに困らせてしまうだけかもしれません。
正直に言います。片付けには、お金がかかります
ここから、少し現実的な話を。
終活や片付けの話は、「思い出」や「気持ち」の面ばかり語られがちです。でも、現場を見てきて、そして自分でも経験して、強く思うことがあります。
🌿 モノを処分するには、お金も、体力も、精神力も、かなりかかる
粗大ゴミの処分費、不用品の回収、量が多ければ専門の業者さん——「捨てる」だけで、思った以上の費用と労力が必要です。
だから、「捨てたくない」を最後まで貫いてしまうと、残された家族(多くは、子供たち)が、金銭面・体力面・精神面で、大きな負担を負うことになります。
これは、脅しでも何でもありません。むしろ——私の親世代の方にこそ、知っておいてほしい、愛のある現実だと思っています。
でも、これは「責める」話ではありません
誤解しないでほしいのですが、「物を持つこと」が悪いわけでは、決してありません。大切な物に囲まれて暮らすのは、幸せなことです。
ただ、元気で、自分で判断できて、体が動くうちに、少しずつ整理しておく。それが、自分のためにも、残される家族のためにも、いちばんやさしい選択なんじゃないかな、と思うんです。
少しきつい言い方かもしれませんが——私のモットーは、「自分の後始末は、自分で」。自分が選んで、持ってきた物。その始末を、子供たちに押しつけるのは、やっぱり筋が違うと思うんです。これは、子供を突き放すのではなくて、むしろ最後の思いやりのつもりです。
全部を今すぐ、じゃなくていい。机を一つ手放す。それくらいの一歩からで、十分です。
おわりに
偉そうなことを書きましたが、我が家も、まだ始めたばかり。これから、自分たちのこと、そして実家のことと、向き合っていく渦中にいます。
だからこのシリーズは、「教える」というより、一緒に考えていけたらという気持ちで書いていきます。
あなたのお家の”これから”を考える、小さなきっかけになれたら嬉しいです。
「捨てられない」気持ちは、否定しなくて大丈夫。
→ ものを減らさなくてもできる片付け|「捨てられない」あなたにもできることがある
何から始めたらいいか、迷ったときに。
→ 片付け・掃除、まずどこから?|家事代行10年が教える「失敗しない最初の一歩」
離れて暮らす親御さんのことが気がかりな方へ。
→ 離れて暮らす親が心配なあなたへ|実家の家事代行という選択
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