実家の片付け、物より先に”ゴール”を決める|家族で話し合う、最初の一歩

暮らしを整える

実家の片付けというと、「さあ、まずどこから捨てよう」と、つい”物”に手が伸びそうになります。

でも、その前に。決めておきたい、大事なことがあります。それは——「この実家を、これからどうするか」

終活シリーズの第3回は、実家の片付けの”順番”のお話です。

実家の片付けに、唯一の正解はありません

実家の片付けは、ご家庭ごとに事情も考え方も違います。ご家族の人数、実家との距離、親御さんの状況——同じお家は、ひとつもありません。

だから「こうすべき」という正解は、ないんです。

ただ、どのご家庭にも共通して言える”順番”が、ひとつだけあると思っています。それが、物より先に、ゴールを決めることです。

まず決めたいのは「実家を、これからどうするか」

実家の”その後”には、いくつかの道があります。

  • 🌿 実家じまいをする(家を手放す)
  • 🌿 売りに出す
  • 🌿 貸し出す
  • 🌿 家族の誰かが住む

そして——どの道を選ぶかで、片付け方は、まるで変わります。

たとえば、売る・貸すなら、基本はお家を空っぽに近づけていく片付けになります。逆に、ご家族が住むなら、使える家具や家電は残していい。全部を処分する必要はありません。

ゴールが決まらないまま手をつけると、「残しておけばよかった」「こんなに捨てなくてよかった」——そのどちらもが、起きてしまうんです。

ただし、ゴールは”自由に選べる”とは限りません。家の傷み具合や立地によって、選べる道が絞られてくることもあります。だからこそまず、家の今の状態を、家族で一度ちゃんと見ておくことが大事なんです。

そのゴールは、ひとりで決めない

もうひとつ、大事なことがあります。

このゴールは、ひとりで決めないでください。お子さんたち、関わりのある親戚の方——みなさんの意向を聞いて、相談しながら決めていくのがおすすめです。

あとになってからの「聞いてない」「勝手に決めた」は、実家の片付けで、いちばんのもめごとの種になります。物の処分は、やり直しがききませんから。

そして、親御さんがお元気なら——いちばん大事なのは、親御さん自身の気持ちです。その家の主は、親御さん。「この家をどうしたい?」と、本人を置き去りにしないで、一緒に考えていく。

急いで結論を出さなくても、大丈夫です。お盆やお正月など、家族が集まる機会に、少しずつ話す。「今はまだ決められないね」——それも、立派な話し合いの結果のひとつだと思います。

ゴールが決まったら、いよいよ手を動かす

行き先が見えたら、ようやく”物”の出番です。

ご家族にとっての不用品は、捨てるか、買い取ってもらえるものは買取に出すか。まだ使える家具や家電、趣味の品などは、リサイクルショップや買取業者さんが引き取ってくれることもあります。捨てるだけが、手放し方ではありません。

ただ、正直に言うと——何十年も眠っていた物に値段がつくことは、そう多くありません。買取は「期待しすぎず、値がつけばラッキー」くらいの気持ちでいると、がっかりしません。

進め方は、以前書いた「明らかなゴミから、少しずつ」が、実家でもそのまま使えます。思い出の品は、いちばん最後で。

量が多いときは、業者さんの力を借りるのも、賢い選択です。——このあたりの費用の目安は、次回、詳しく書きますね。

私の実家の話も、少しだけ

偉そうに書いてきましたが、実は私の実家も、なかなかの”難しい家”です。

祖父母の代から続く古い家で、傷みも進んでいて、貸したり売ったりできる状態ではありません。家族の誰かが住むには大きすぎて、直さないといけない場所もあちこちに。しかも、大きな重機が入れないような場所に建っているので、いずれ解体するにしても、費用は普通よりかかりそうです。

家の中には蔵のような部屋があって、祖父母、そのまた上の代の物まで眠っています。以前、家族が「売れる物があるかもしれない」と見てみたのですが——結果は、ほぼゼロ。何十年も眠っていた物は、残念ながら、家族にとっても”ガラクタ同然”でした。

親戚もみな高齢になり、実家の物と向き合う気力は、もうないという方がほとんど。だから、いずれ動くのは、私たちきょうだいになります。

つまり、うちの実家のゴールは「自由に選ぶ」というより、家の状態と立地で、もうだいぶ絞られているんですね。おそらく最後は、家を畳む(解体する)方向になるのだろうと思っています。それでも——いえ、だからこそ、きょうだいで「いつ、誰が、どうするか」を、元気なうちに少しずつ話しておこうと思っています。

おわりに

実家の片付けは、物の整理である前に、家族の話し合いなのだと思います。

「この家、どうしようか」——その相談をする時間そのものが、実は、家族の大切な時間。親の思いを聞ける、貴重な機会でもあります。

私自身も、これから実家のことと向き合っていく、渦中のひとりです。急がず、みんなで、ゆっくり。

その一歩が、少しでも軽くなるきっかけになれたら嬉しいです。

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