片付けても、片付けても、すぐに散らかってしまうお宅があります。何度伺っても、前回お掃除した時の状態は跡形もなく、また同じ場所に同じものが積み重なっている。
そういう現場で、実は私、ある時こう思ってしまったことがあります。「これって、意味あるのかな…」と。
プロとして言うべきじゃない言葉かもしれません。でも今日は、その葛藤と、それを救ってくれたある雑談の話を、正直に書こうと思います。
「これって、意味あるのかな」と思ってしまった日
家事代行を始めて10年。本当にたくさんのお宅にお伺いしてきました。その中には、何度伺ってもすぐに元の状態に戻ってしまうお宅もあります。
私が前回ピカピカに磨いた洗面台に、また同じように物が積まれている。整えたリビングの床に、また物が散らばっている。
もちろん、それを責める気持ちは一切ありません。ご本人の生活の事情やリズムがあり、片付ける習慣を急に身につけるのは、本当に難しいことだとよくわかっています。
それでも、ある日ふと、こんな気持ちが胸をよぎったのです。
「私のしていること、本当に意味があるんだろうか」
「お掃除しても、すぐ元に戻ってしまうのなら、お金をいただくのが申し訳ないんじゃないか」
口には出さないし、お客様にも絶対に見せない感情です。でも、心の奥には確かにそんな思いがありました。
ある日、ママ友に悩みをぽろっと打ち明けたら
その悩みを抱えたまま、何ヶ月か経った頃でした。
たまたまママ友と立ち話をしていた時に、ぽろっと口にしてしまったのです。「片付けても片付けても、すぐ散らかっちゃうお宅があってさ。これってお手伝いになっているのかなって、最近ちょっと考えちゃって」と。
そうしたらママ友がこう言ったのです。
「あー、それね。実はうちの親戚にも、片付けがすごく苦手な人がいるんだよ。お宅もたぶん、似たような感じだと思う」
そして、ママ友はその親戚の方が普段こう言っているのだと、教えてくれました。
その方の言葉に、ハッとしました
「一瞬でも、片付いた状態を見ると、気持ちが落ち着くんだよね」
「この状態を維持できないのは分かってるんだけど、またリセットしてもらえるっていう安心感はあるんだよ」
その言葉を聞いた時、私はハッとしました。
私はずっと、「きれいになった状態を保ち続けること」を、ゴールだと思っていたのです。だから、すぐ元に戻ってしまうことに、どこかで意味を見失っていた。
でも、そのお客様にとっては違ったのかもしれない。
「一瞬でも、片付いた状態を見ること」自体に、すでに意味があった。「またリセットしてもらえるという安心感」が、暮らしの中の支えになっていた。
私のお客様も、そう思っていてくれているのかもしれない
もちろん、ママ友の親戚の方と私のお客様が同じ気持ちかどうかは、私には確かめようがありません。直接お聞きしたわけじゃないのですから。
でも、たぶん同じなんじゃないかな、と思えるようになりました。
すぐ散らかってしまうのを分かっていながら、それでも私を呼んでくださる。何度も継続してご依頼くださる。それは、「維持はできなくても、定期的にリセットしてもらえる」ことに、ちゃんと価値を感じてくださっているからなのかもしれない。
そう思えた時、私の中で何かがすっと軽くなりました。
「私のしていること、ちゃんと意味があるんだ」と。
「リセット」の本当の意味
このことを経験してから、私は「お掃除の意味」について、考え方が変わりました。
これまでは、「きれいな状態を維持できること」が、お掃除のゴールだと思っていました。でも、それだけじゃない。
一旦戻すこと、そのものに価値がある
- 🌱 一瞬でも、整った景色を見ることで、気持ちが落ち着く
- 🌱 「またリセットしてもらえる」という安心感が、日々の支えになる
- 🌱 ほったらかしを止めることで、散らかり方が和らいでくる
ほったらかしにしていれば、散らかり方は歯止めなく進んでいきます。でも、定期的にリセットしてあげることで、その歯止めになる。
すべて元通りには戻らなくても、確実に「ある一定のところまでは戻る」。これだけでも、暮らしには大きな違いがあるのです。
「片付けが続かない」と悩む方へ
もしあなたが、「片付けても続かない自分」を責めてしまっていたら、ここまで読んでくださってありがとうございます。
続けられないこと、それ自体は問題ではありません。完璧に維持し続けることだけが正解ではないのです。
📌 こんな考え方も、あっていいと思うのです
- 「続けられなくてもいい。一瞬でも、整った状態が見られたらそれでいい」
- 「ほったらかしにせず、定期的に誰かにリセットしてもらう」も立派な選択
- 「散らかってもいいから、また戻ればいい」と思える安心感を、暮らしに持つ
もちろん、ご自分で続けられる方は、それが一番良いと思います。ご自分で動けない時、一人ではどうしても難しい時の選択肢のひとつとして、家事代行という手段もあります、というだけのお話です。
おわりに
あの日、ママ友に悩みを打ち明けて本当によかったと、今でも思っています。あの会話がなければ、私は「すぐ散らかってしまうお宅」のお手伝いに、ずっと迷いを抱えたままだったかもしれません。
「一瞬でも、きれいに」「またリセットすればいい」
これが、私のお手伝いの意味なんだと、教えてもらいました。直接お客様から聞いた言葉ではないけれど、たぶん、同じ気持ちでいてくださっているのだろうと思っています。
だから今は、何度伺っても元に戻ってしまうお宅でも、迷わずに同じ場所をきれいにします。「一瞬でも、整った景色を見てほしい」と思いながら。
まとめ
- 🌿 片付けが続かないのは、性格のせいじゃない
- 🌿 「一瞬でも、整った状態を見ること」自体に意味がある
- 🌿 「またリセットしてもらえる」という安心感が、暮らしの支えになる
- 🌿 ほったらかしを止めるだけで、散らかり方は和らいでくる
- 🌿 一人で難しければ、誰かと一緒にやればいい
片付けが苦手な方へ、私が普段から思っていることをまとめた記事です。
→ 部屋が散らかる理由は、その人の数だけある
「ものを減らさなくてもできる片付け」についても書いています。
→ 物を減らさない片付けのコツ
「片付け、まずどこから?」と迷う方には、こちらもおすすめです。
→ 片付け・掃除、まずどこから?|家事代行10年が教える「失敗しない最初の一歩」
現場で私が大切にしている「もう一所」のお話です。
→ いつもの場所+もう一所|家事代行の現場で私が大切にしている2つのこと
「自分では片付けが続かない」「定期的にリセットしてくれる人がいたら…」と思う方は、よかったら一度お声がけください。岡山市を中心に、暮らしを少し軽くするお手伝いをしています。
無理におすすめすることはありません。話を聞いてみるだけでも大丈夫です。


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