毎朝、高校生の娘のお弁当を作っています。学校の教室に、お弁当用の冷蔵庫はありません。作ってから食べるまで4〜5時間、真夏の教室に置かれる——だから夏のお弁当は、味より何より「傷ませない」ことを一番に考えています。
先にお断りしておくと、私は料理の専門家ではないので、レシピの話はしません。でも、「傷ませない」=菌を増やさないことは、お掃除の仕事をしてきた私の専門です。今日は、我が家で毎朝やっていることを、そのままお話しします。
作るとき——菌を「つけない・やっつける」
肉や魚は、まな板で切りません。うちでは、飲み終わった牛乳パックを洗ってよく乾かし、切り開いてストックしておいて、肉・魚はその上で切ります。使ったら、そのまま捨てるだけ。まな板に菌が付く心配が、そもそもなくなります(以前は市販のまな板シートも使っていました。あれも便利です)。
まな板で切る場合は、野菜→肉・魚の順で切って、使い終わったら熱湯をかける。肉・魚用と野菜用で1枚ずつ分けるのも安心です。
そして、肉・魚・卵は、中心までしっかり火を通すこと。目安は「中心までアツアツ」(公的には中心75℃で1分以上と言われます)。夏のお弁当に、半熟卵や生焼けはNG。卵焼きもゆで卵も、しっかり固めまで。
それから、我が家は夏場は作り置きに頼らず、その日の朝に作るようにしています。少し大変ですが、朝作ったものをその日の昼に食べる——これがいちばん安心だからです。
(作り置きを使う場合は、朝しっかり再加熱して中心まで熱くし、冷ましてから詰めれば大丈夫です。無理のないやり方で。)
詰めるとき——菌を「増やさない」
① しっかり冷ましてから、詰める。おかずもご飯も、熱々のまま蓋をすると、蒸気が水滴になってお弁当の中にこもります。水分は、菌のごちそう。急いでいる朝ほど、ここだけは待ってください。
② 汁気の多いおかずは、入れない。汁もれの心配もありますし、水気は傷みのもと。どうしても入れたいときは、汁気を吸ってくれるものと組み合わせます。私はマッシュポテトの上にのせたりします(かつお節やすりごまを敷くのも同じ発想です)。
③ 生野菜は、夏はお休み。彩りのレタスやきゅうりは、この時期は我慢です。ミニトマトを入れるなら、ヘタを取って、よく洗って、水気をしっかり拭いてから——と言われていますが、心配な日は入れません。
④ ご飯は、白ご飯。炊き込みご飯や混ぜご飯は、具の水分と栄養で傷みやすいので、夏のお弁当では避けています。
⑤ お酢や梅干しの力も、少し借りる。酢を使った味付けや梅干しには、菌の増殖を抑える働きがあると言われます。ただし”それだけで安全になる”わけではないので、あくまで補助として(梅干しは、触れている部分にしか効かないそうですよ)。
⑥ 保冷剤がわりに、凍らせた一口ゼリー。我が家の定番です。市販のカップゼリーを凍らせてお弁当に入れると、保冷剤の代わりになって、食べる頃にはちょうど溶けてデザートになる。娘にも好評です。保冷バッグと組み合わせると、さらに安心。
キッチンと道具——「菌のたまり場を、そもそも持たない」
お弁当の中身だけでなく、それを作るキッチン側も夏は大事です。我が家のやり方は、ひとことで言うと「菌のたまり場を、最初から持たない」です。
- 🌿 三角コーナーは、置いていません。コバエやヌメリ、カビの温床になるからです。生ゴミはためずに、1日の終わりに捨てて、排水口は泡タイプの塩素系スプレーで除菌。毎晩リセットします
- 🌿 ふきんは、こまめに漂白。スポンジは、食器用洗剤(除菌タイプ)を含ませて、くしゅくしゅ泡立てて保管——洗剤メーカーの推奨どおりの方法です
- 🌿 お弁当箱は、フタのパッキンまで。パッキンの溝は菌のたまり場なので、外して洗います。我が家は今、そもそもパッキンのないタイプを使っています
- 🌿 水筒は「洗いやすさ」で選ぶ。口が広くて、部品が少ないもの。洗いやすい道具は、清潔を保ちやすい道具です
⚠️ 塩素系の洗剤(ハイターなど)を使うときは、酸性のもの(クエン酸・お酢など)と絶対に混ぜないでください。換気も忘れずに。
あとから知った、「食中毒予防の3原則」
実は、国が言っている食中毒予防には「3原則」があります。
- 🌿 つけない(菌を移さない)→ 牛乳パックのまな板、手洗い
- 🌿 増やさない(菌を育てない)→ 冷ます、汁気、白ご飯、保冷、当日調理
- 🌿 やっつける(菌を殺す)→ 中心までしっかり加熱
毎朝なんとなくやってきたことを並べてみたら、この3つに、きれいに収まっていました。難しい理屈より、「水分・温度・清潔」に気をつける毎朝の小さな習慣——それがそのまま、いちばんの食中毒予防なんだと思います。
それでも「危ないな」と感じた日は、持たせない
最後に、いちばん大事なことを。
どんなに気をつけても、「今日は危ないな」という日があります。朝から気温がぐんぐん上がる日、おかずに自信が持てない日。
そんな日は、お弁当を持たせない、という選択をします。買ったパンを持たせる。学食にしてもらう。それでいいと思うんです。
目的は、お弁当を持たせることではなくて、子どもが安全にお昼を食べられること。危ないと感じたら、別の方法を考える——それも、立派なお弁当作りの一部だと思っています。
毎朝のことだから、頑張りすぎずに。できることを、ちょこっとずつ。今日も、娘のお弁当を作りながら、そんなことを考えています。
塩素系洗剤の「混ぜるな危険」、くわしくはこちらに。
→ 混ぜるな危険!洗剤の安全な使い方|お掃除道具帖③
キッチンを5分で整える、ちょこっと掃除の習慣。
→ 「気づいたらサッと拭く」だけ|キッチンを場所別に5分で整えるちょこっと掃除カレンダー12選
食材をしまう冷蔵庫も、夏は清潔に。
→ 冷蔵庫の掃除はいつやる?食材を使い切ったタイミングがベスト
「排水口や水回りのお掃除まで、手が回らない」「夏のキッチンをリセットしたい」——そんなときは、家事代行という選択肢もあります。菌のたまり場をつくらないキッチンづくり、一緒に整えます。岡山市近郊で「ちょっと相談だけでも」という方も大歓迎です。
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